2011年3月15日火曜日

星の王子たち  (八重洲にて)




しんどい状況にある人間に、どんな言葉をかけるだろうか。


「がんばってくれ」
「気を落とすな」
「元気出して」
「そうくよくよするな」


確かに、ぼくもずっとそういう言葉をかけようと思ってきたし、かけてきた。



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てんつくマン  という人をご存知だろうか。



山崎邦正の元相方で、現在様々な活動をしている、変な人だ。
参考↓
http://www.tentsuku.com/home.shtml

この人が作った映画を、学生団体の活動の一環で放映した。


あまり記憶に残らない、感動を売る映画なのだが、

ひとつのエピソードだけは、今も強烈に心に残っている。



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てんつくマンは、

「アフガニスタンに手編みのマフラーを届けよう!」という活動にジョインしていた。

色々な困難や衝突やすれ違いがありながら、
アフガニスタンの難民キャンプにマフラーを届けることができた。

その後のエピソードが、僕には衝撃的だった。


てんつくマンは、アフガンのキャンプを去るときに、色々あった酋長に次のような言葉をかけた。


てんつくマン   「いろいろ大変な状況だろうけど、元気をだして、頑張ってください」


それに対して酋長は、次のように応えた。





「元気を出すのは、あなたがた日本人の方だ。

あなたがた日本人がこのような現状をよく見て、

それを変えていって欲しい。

あなたがた に は それができるのだから。」






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その時、てんつくマンが思ったことを、僕も思った。

「この酋長一人がんばっても、何も変わらない。 そもそも頑張れる状況にない」

「 ほんとうに頑張るべきは、いったい誰なのか 」











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他人を思いやれる状況にあると思うか?

明るく振舞えると思うか?

頑張れると思うか?



この期に及んで、これ以上、誰に頑張らせるつもりというのだ。



本当に他人を思いやるべきは?
明るく振舞うべきは?
頑張るべきは?

これっぽっちも被災しなかった我々なのではないだろうか。



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被害は甚大で、

死者・行方不明者多数。

原子力発電所は予断を許さない状況だ。

これに対して、「べつにそんな不幸でもないじゃーん」

という発言こそ不謹慎だと思う。


しかしながら、この甚大な被害を真摯に受け止め、

それでも明るく振舞えるユーモアや、クリエイティブな発想、当意即妙な経済活動は

大いに尊重されるべきで、



もし『不謹慎』 という言葉が、ある人の胸にかすめ、そのために行動を制限してしまうのであれば、


『不謹慎』という言葉こそ不謹慎だ、とすら思う。




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何が出来るかは、本当にひとそれぞれだと思う。

寝ないで情報発信をするひとがいれば、

放射能に晒される危険があるにも関わらず原発の対応をするひとがいて、

けなげにも節電する人がいて、

物資や資金を送るひとがいて、

ボランティアに行きたいと言う人もいて、


ロケーションやシチュエーションによって出来ることも変わってくるはずだ。

こうすべき、ああすべき、と一様に定められるものとも違う。



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そんな中、やっぱり僕は、クリエイターと呼ばれる人たちに憧れを持たずにはいられなかった。

特に芸術的や娯楽的な創作は、とりわけ不謹慎と罵られやすい中で。



@sugyan という人のツイートである。↓


よし調整した instagram #prayforjapan の画像をスゴい勢いで表示するページ http://t.co/JEmGkDJ









prayforjapanというタグがつけられた画像が、直接的に被災地の方の勇気になる、とか

この人がつくったこのページが直接に東日本の復興になる、

とかでは ない。






誰かが勇気を出して作ってみせた何かを見て、 ぼくが 勇気をもらうのだ。

ぼくが、誰かのために何かをせねばというエネルギーをもらうのだ。





これをみて、人間ひとりができることの範囲を再認識して、

何かに踏み出すきっかけになった人がいるはずなのだ。





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復興に向けて、アクションできる人間が、おおいにアクションしていかないといけないと思う。


そして、今までなんやかやでアクションしなかった人間がアクションするためには、

多少の勇気が必要だ。多少のきっかけが必要だ。


そのきっかけを作ることで、復興の向けてなんらかのアクションをできる人間を増やすことも、

それもまた、復興活動そのものだと思う。


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昨日まで、なんやかやの理由でできなかったことを、
「あ、今日はやってみようかな」
と感じれる何かを作りたい、と。
就職活動を通して、強く思うようになった。



そうなれば、世界はもっと面白く、強くなるはずだ。





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最後に、



だからプロ、アマ、自称、関係なくクリエイターの方々へ。

こんな時だからこそ、手元の創作活動を続けて欲しい。どんなに小さくても。

特に「自称」の方々、あなた方の創作を見ていつも僕がどれだけ元気をもらっているか、

勇気をもらっているか。

「ぼくこそも頑張らなければ」という気持ちになっているか。


あなた方がやっているのは立派な「復興」だと思うから。  (from twitter)

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